ビジュアルアーツ・アカデミー 映像学科卒業生であり、世界的映画監督として活躍する河瀨直美さんが、映画『恒星の向こう側』(中川龍太郎監督)に俳優として出演。
その演技が高く評価され、「第38回東京国際映画祭」にて、共演の福地桃子さんとともに【最優秀女優賞】を史上初のW受賞されました。
世界が注目する、日本最高峰の映画祭での快挙!
東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival)は、日本で唯一の国際映画製作者連盟(FIAPF)公認による、アジア最大級の国際映画祭です。
カンヌ、ヴェネツィア、ベルリンと並び称され、世界各国から集まる新作映画や才能を紹介する"映画文化の祭典"。その舞台での受賞は、国際的にもきわめて名誉ある出来事といえます。
女優としても輝いた、全身全霊の挑戦
本作はコンペティション部門に正式出品された話題作。
河瀨さんはこれまで数々の国際映画祭で監督として高い評価を受けてきましたが、
今回は俳優としての挑戦で見事に栄誉ある賞を手にされました。
河瀨さんは受賞にあたり、次のようにコメントを寄せています。
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命がけで映画制作に取り組むのと同じように、出演に際しましても全身全霊で挑みました。
その結果として、このような評価をいただけたことを心からうれしく光栄に思います。
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本作で河瀨さんは、末期がんを患う女性・可那子を演じています。
ピアノ演奏の練習を重ね、役と真摯に向き合いながら撮影に臨まれたとのことです。
来年2月6日には河瀨さんの監督最新作、映画『たしかにあった幻』の公開も控えており、今後のさらなる活躍にも注目が集まっています。
映画づくりへの情熱と探究心を体現し続ける河瀨直美さん。
本校は、これからも卒業生の挑戦と創造の歩みを応援していきます。
恒星の向こう側 | Echoes of Motherhood 予告編 Trailer
『第38回東京国際映画祭』各受賞作品・受賞者紹介
コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞 『パレスチナ36』(パレスチナ/イギリス/フランス/デンマーク)
審査員特別賞 『私たちは森の果実』(カンボジア/フランス)
最優秀監督賞 チャン・リュル監督(『春の木』、中国)
アレッシオ・リオ・デ・リーギ、マッテオ・ゾッピス(『裏か表か?』、イタリア/アメリカ)
最優秀女優賞 福地桃子、河瀨直美(『恒星の向こう側』、日本)
最優秀男優賞 ワン・チュアンジュン(『春の木』、中国)
最優秀芸術貢献賞 『マザー』(ベルギー/北マケドニア)
観客賞 『金髪』(日本)
アジアの未来 作品賞 『光輪』(韓国)
アジア学生映画コンファレンス 作品賞『フローティング』(韓国)
審査委員特別賞『永遠とその1日』(台湾)、『エンジン再始動』(韓国)
東京国際映画祭 エシカル・フィルム賞 『カザ・ブランカ』(ブラジル)
黒澤明賞 李相日、クロエ・ジャオ
特別功労賞 山田洋次、吉永小百合
河瀨直美さん プロフィール
生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける映画作家。
2026年には最新作「たしかにあった幻」2月6日よりテアトル新宿ほか公開決定。
一貫した「リアリティ」の追求はドキュメンタリーフィクションの域を越えてカンヌ映画祭をはじめ、世界各国の映画祭での受賞多数。
代表作は『萌の朱雀』『殯の森』『2つ目の窓』『あん』『光』『朝が来る』など。
世界に表現活動の場を広げながらも故郷奈良にて2010年から「なら国際映画祭」を立ち上げ、後進の育成にも力を入れる。
東京2020オリンピック公式映画総監督、ユネスコ親善大使、奈良県国際特別大使、2025 年大阪・関西万博のシニアアドバイザー兼テーマ事業プロデューサーを務める他、CM演出、エッセイ 執筆、俳優などジャンルにこだわらず活動を行う。
プライベートではお米を10 年以上作り続けている。
河瀨直美監督最新作 映画「たしかにあった幻」
河瀨直美監督の最新作「たしかにあった幻」が2026年2月6日よりテアトル新宿ほかにて公開決定!
河瀨監督にとって8年ぶりのオリジナル作品となる今作は、"愛のかたち"と"命のつながり"をモチーフに、日本の失踪者と心臓移植の現実を重ねて描く、珠玉の人間ドラマです。
【作品公式サイト】
https://happinet-phantom.com/maboroshi-movie/